企業の皆様、日々の事業活動を通じて社会課題の解決に貢献したい、新しい取り組みを行政と連携して進めたいとお考えでしょうか。...
【社会課題解決を共に】官民共創を実現する「議員・行政連携」のポイントとは?
「自社の優れた技術やサービスで、自治体・行政と一緒に取り組んで、社会課題を解決したい!」
そう考える企業の担当者様は多いのではないでしょうか。
しかし、いざ自治体へ提案しようとしても、
「どの課に話を持っていけば良いのか」「どうすれば事業として採用されるのか」といった壁にぶつかることも少なくありません。
その突破口、実は身近な「議員」との連携にあるかもしれません。
先日開催したウェビナー『なぜ、あの自治体は「病児保育DX」に踏み切れたのか?』では、墨田区議会議員のおおこし勝広氏をお招きし、政策実現のリアルをお話しいただきました。今回はその内容を基に、企業が議員と連携するメリットと、具体的な実践法をご紹介します。
2003年初当選以来、6期目の任期中(公明党所属)。
公共施設マネジメントと行財政改革を重視し、区民生活の質向上に尽力。
地域に根差した活動を展開する経験豊富な議員で、病児保育DX化について、墨田区での導入にご尽力された実績を持つ。
なぜ「議員」? 企業にとって頼れるパートナーである3つの理由
ウェビナーで語られた内容から、議員が企業にとって頼れるパートナーとなり得る理由が3つ見えてきました。
メリット1:政策課題との接続支援
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自社ソリューションが、どの行政ニーズ(地域課題)に合致するのか、政策のプロフェッショナルである議員の視点から事業者や住民では気づかない視点を踏まえて、的確な社会課題設定/課題設定/問題提起をしてもらえる。
メリット2:行政担当者との円滑な対話支援
- 社会課題解決および政策実現のために必要な手法を、行政の適切な部署や担当者への働きかけをしてもらえる
メリット3:議員が議会で発信したり、他の議員に働きかけたりすることで、課題が公になり、行政内での「問題提起と検討の促進」につながる。
- 議員が議会で発信したり、他の議員に働きかけたりすることで、課題が公になり、行政内での「問題提起と検討の促進」につながる。
- 場合によっては他の議員も同様の課題を取り上げることもあり、議会全体の共通課題として認識されることで、より政策実現につながることもある。
【事例】墨田区「病児保育DX」実現の裏側
墨田区では、病児保育の予約が電話や書類のみで、「いざという時に使いづらい」という住民の声がありました。
「子育て世代のお母さんから(中略)『墨田区病児保育始まったけどどう?』って聞いた時に、圧倒的にクレームが多かった。(中略)前日までに登録してくれないと使えないとか」
おおこし議員はこの課題を議会で取り上げましたが、当初は具体的な進展が見られませんでした。
転機となったのは、具体的な解決策に繋がる情報収集でした。issuesが開催した病児保育に関するウェビナーに参加し、
「issuesさんの病児保育のウェビナーを聞いてですね(中略)これはすごいと思って」
この「課題+具体的な解決策」 を持って再度議会で働きかけたところ、他の議員も巻き込み、議会全体の関心事へと発展。
行政側もDX導入へ前向きに動き出し、2025年度、オンライン予約システムの導入と、区内にもう1箇所の施設整備が決定しました。
「(DX化について)区側は1箇所しかないんだから、何もDX導入しなくたって(中略)導入しなくてもいいんじゃないかというトーンが変わってきたんですね。DXを導入した方がいいという風に変わってきまして、おかげさまでもう1箇所、区内に整備することが正式に今年度決まりまして」
まさに議員の情報収集力と行動力、そして企業の持つソリューションが結びつき、政策実現に至った好例と言えるでしょう。
企業が議員の”パートナー”となるためのヒント
では、企業はどうすれば議員と効果的に連携、その先の自治体との連携に発展できるのでしょうか?
ウェビナーの内容を参考に、解説していきます。
「営業」ではなく「課題解決の共同提案」を
議員は特定の企業の営業代行をしたいのではなく、地域課題の解決、市民のお困りごとを解決したいと思っています。
そのため、「うちのサービスを使ってください」ではなく、「この地域課題(行政課題)を、この技術で解決したいのですが、ご意見を伺えませんか?」というアプローチが重要です。そのほうが議員の方の熱量も高くなります。
「先にそっち(サービスの売り込み)からではなくて、行政課題について共有しています、と。この行政課題をこうやって解決するためにこの提案をしたいという形で行けば、議員側が『その通り』と思うと熱の入れ方も変わる」
議員の関心事を事前にリサーチ(SNSや議会質問をチェック)することも有効です。
「議員の方が動ける・課題が共感できる情報」を提供する
議員の方が行政や他の議員を説得する際に役立つ情報(他自治体事例、導入効果のデータ、住民の声など)を、分かりやすく整理して共有しましょう。
「(ウェビナーで紹介された)民間企業の視点というのが『なるほど』と。(中略)行政におけるサービスの利用者側の利用しづらさだとかを解決するのに的確な視点で整理された形で提供されるのは非常にありがたい」
継続的なコミュニケーションで信頼関係を
一度だけでなく、定期的に情報提供や意見交換を行い、信頼関係を築くことが重要です。
墨田区おおこし議員の場合、病児保育のDX化にとどまらず、同企業と共に「産後ケア」の見える化にも取り組んでいるということです。
病児保育のDX化の導入のおかげで、
もう一つ政策実現ができそうです。
現在、産後ケアの見える化についても同様のシステムで実現できることが わかり、所管部局と検討・調整中です
(2025年5月現在)
まとめ:議員と連携して官民共創を実現する
自治体の議員の方は、企業が持つ優れた技術やサービスを社会実装し、地域課題解決に貢献するための有力なパートナーです。
「課題解決」という共通の目的のもと、議員の持つ情報力や影響力と共に協力しあう連携が、官民共創の近道となり得ます。
株式会社issuesは、社会課題解決に関心のある企業と、意欲ある議員との最適な官民共創の支援しています。「どの議員に相談すれば良いか分からない」「具体的な連携方法を知りたい」など、お困りのことがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。
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