行政の壁を破る3つのカギ(課題、予算、議員) 企業の皆様が、画期的なソリューションを携えて自治体との連携を試みる際、しばしば「行政の壁」を感じたことはありませんか?...
アプローチを変えるだけで自治体との連携が変わる!官民共創を成功させるための適切な議員連携とは?
企業が抱える課題と、行政職員へのリスペクト
民間企業にとって、自治体との連携は大きな市場開拓のチャンスである一方、「接点づくり」や「商談のプロセス」において、多くのボトルネックを感じているのが現状ではないでしょうか。
とはいえ、忘れてはならないのは、自治体職員の方々もまた、多忙な業務の中で「住民の生活を良くする」、「幸福度を上げる」、「生活を便利にする」といった公益目的に向けて、全力で取り組んでいるということです。この大前提をしっかりと理解することが、すべてのスタート地点です。
課題の本質は、民間企業が持つ優れた技術やアイデアを、行政特有の「仕組み(予算・法令)」に折り混ぜていくための「コミュニケーションの回路」や「タイミング」にあると言えます。
この構造的な課題を乗り越え、健全な官民共創を実現するための戦略的な接点づくりについて、元都議・市議会議員の菅原直志氏とissues取締役の富樫重太氏による対談セッションから、その核心を探ります。

自治体組織における「議会」の役割の再定義
多くの企業は、まず行政の担当窓口や担当官にアプローチすることが多いですが、戦略的に考えるなら、「議員」との連携も非常に重要な選択肢です。
なぜなら、地方自治体の執行部(首長や行政職員)が進めたい政策でも、最終的には「議会で予算が承認されないと実行できない」という側面があるからです。
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この点において、議員は「予算承認」という権限を持つキーパーソンであり、issuesでは議員を民間企業における「行政組織の社外取締役のような存在」だと捉えています。彼らは自治体のことを知り尽くした上で、行政との連携を進めていく上で「非常に重要なパートナー、もしくは相談役になり得る存在」です。
「共創」の精神:社会課題の解決を主語にする
自治体連携を進める上での絶対的な原則は、自社のサービスや技術を「売り込む」のではなく、「社会課題の解決をしたい」という目的を行政側と共有することです。
菅原氏が強調するのは、企業側も「社会課題の解決をしたいと」いう姿勢を貫くことの重要性です。
「我が社のものを買ってくれ、では話にならないです。やはり、会社側も社会課題の解決をしたいと、そのために議員と連携することが重要です。その部分で一致できればうまくいくのではないでしょうか」
メールや最初のコミュニケーションにおいても、自社の製品の優位性ではなく、「これだけ地域の課題があって、こういう課題を解決する必要がありますよね」という問題提起をメインに据えることが、信頼を得るための第一歩となります。これは、志を持って住民のために活動している議員や職員にとって、最も動きやすいインセンティブとなるからです。
健全な接点づくりの具体的な道筋
1. 適切なアプローチ先は一つではない
自治体営業の難しさの一つは、提案内容に対して「どこがメインの窓口か」が分かりにくい点です。しかし、一つの課で断られても、視野を広げることで進展が見えてくる可能性があります。
例えば、電気自動車の導入において、庁用車なら「財産管理課」が担当する一方、ゴミのパッカー車なら「廃棄物担当課」が契約元になります。環境保全の観点では「環境保全課」が関心を持つかもしれませんし、公共施設の駐車場に充電施設を設置する場合は「スポーツ課」が担当する場合もあります。

このように、自治体の機能は「縦割り」の構造を持つため、多角的にアプローチ先を検討することが重要です。
2. 「勉強熱心な議員」を公開情報から見極める
民間企業が自治体の複雑な組織構造を自力で把握するのは困難です。そこで頼りになるのが議員ですが、闇雲にアプローチするだけでは、時間を無駄にしてしまうことがあります。
健全な連携先を見つける鍵は、「透明性の高い情報」に基づいた調査です。
「各自治体の議事録をキーワード検索するとすぐに情報が出てきます。例えば日野市議会では、過去にどんな議題があったかを簡単に調べられます。こうした情報を基に、議員にアプローチすれば、議員側も歓迎してくれるでしょう」
議事録を通じて、自社の事業分野(例:DX、福祉、環境など)について、過去に質問や発言をした議員を探し出すことができます。これは、その議員がすでに政策的な関心を持っている証拠であり、情報の非対称性を解消するための極めて公式で健全なプロセスです。
さらに、その議員がどれだけ官民共創に協力的かを見極めることも重要です。具体的には、政策勉強会に積極的に参加しているか、SNSやブログで新しい情報を発信しているかなどをチェックすることで、その議員の関心の高さを見極めることができます。
3. ハードルを乗り越えるためのステップ
担当課の理解を得られても、「財政課」が動かせないといった予算上の壁に直面することは少なくありません。このような状況を打破するためには、「トップダウン(首長・副市長の決断)」と「ボトムアップ(現場職員の熱意)」の相乗効果が求められます。
議員は、議会質問という公式な場で、企業の持つアイデアを背景に、例えば、「デジタル化を進めるべきだ」と提言することで、議論の「空気づくり」に貢献できます。これは、デジタル化を進めたいと願う庁内の「サイレントマジョリティ」である職員たちの後押しにもつながるのです。
また、予算を伴う本格導入前に、「共同研究の締結」や「政策連携の契約」を結ぶことで、自治体との関係を一歩踏み込んだものにすることも効果的です。こうした連携協定を通じて得たエビデンスが、その後の本格導入に向けた確度を高めます。
結論:地域課題解決という「三方良し」へ
自治体との連携活動は、自社の利益追求だけに留まりません。企業の持つアイデアや技術が、住民サービスの向上や地域課題の解決に直結し、結果として「三方良し」の成果を生み出します。
この対談セッションでは、他にも「議員の特徴」や「首長へのアプローチ方法」、さらには「議員連携をするうえでのコンプライアンス上の注意点」など、実践的なノウハウが語られました。
自治体との共創は、一朝一夕には実現しませんが、適切なプロセスを踏むことで、道は必ず開かれます。ぜひ本記事を参考に、貴社の優れたサービスを行政に「共創」という形で届ける勇気を持っていただければ幸いです。
(本レポートで触れられなかった詳細な戦略やノウハウについては、ぜひウェビナーアーカイブをご視聴いただくか、個別にご相談ください。)
さらに、自治体との接点づくりに課題を感じている方向けに、議員経験者が同席する無料個別コンサルティングも実施しております。ぜひ、この機会に専門家の知見をご活用ください。
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